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毎日毎日、たくさんの動物たちが当院にやってきます。 その中で、私の心に残った病気や症例をチョットだけ皆さんのご紹介いたします。
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《目次》 |
Karte 21 寄生虫図鑑Fコクシジウムのオーシスト Karte 20 「おなかが張ってる!」〜胃捻転〜 Karte 19 『誘拐犯に告ぐ!』 〜野鳥のヒナを拾わないで〜 Karte 18 寄生虫図鑑Eニキビダニ(毛包虫) Karte 17 寄生虫図鑑D犬糸状虫 Karte 16 『避妊手術』をしましょう!〜子宮蓄膿症〜 Karte 15 『様子を見る』ということ。 Karte 14 ワクチン接種後の副反応 Karte 13 寄生虫図鑑Cウサギズツキダニ Karte 12 陰嚢ヘルニア Karte 11 寄生虫図鑑Bみみだに(ミミヒゼンダニ) Karte 10 膀胱結石(ストルバイト) Karte 9 「おなかがイタイ」〜紐状異物〜 Karte 8 寄生虫図鑑A猫回虫 Karte 7 お尻から血が・・・〜直腸ポリープ〜 Karte 6 大きく育って・・・〜妊娠・出産〜 Karte 5 寄生虫図鑑@ネコハジラミ Karte 4 交通事故?〜骨盤骨折〜 Karte 3 歯みがきは大切です。〜歯槽膿漏〜 Karte 2 「おなかがイタイ」〜腸閉塞(腸重責)〜 Karte 1 「おなかがイタイ」〜誤食誤飲は人災です!〜
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Karte21 寄生虫図鑑Fコクシジウムのオーシスト |
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写真はネコの糞便中にみられたコクシジウムのオーシストです。コクシジウム≠ニは腸管の粘膜に寄生する寄生虫の種類で、目に見えないほどの小さな虫です。犬猫ではイソスポラ,フェレットやウサギではアイメリアが代表的な種類です。様々なモノから経口的に感染して、主に下痢を引き起こします。糞便中にはオーシスト≠ニ呼ばれる卵のような状態で見つけることができます。治療は駆虫薬が中心ですがなかなか手強く、重篤な感染となった場合、幼若な動物や他の病気に罹っている動物では衰弱して命に係わる場合もありますので注意が必要です。 090804
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Karte20 「おなかが張ってる!」〜胃捻転〜 |
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胃拡張だけでなく捻転を伴っている場合を胃拡張胃捻転症候群といいます。これに続発し、胃壁の壊死,脾臓うっ血,後大静脈血流障害が生じ、ショック状態に陥り、最悪死にいたります。治療は手術やチューブを入れて胃内圧を下げ整復することです。レントゲン写真には特徴的な逆C型の拡張した胃が見られます(写真)。今回はショックもDIC(汎播種性血管内凝固)も起こらず、術後の状態は良好でした。主に大型で胸の深い犬種で多いのですが、小型犬でも可能性はあります。食事や水を一度に大量に接種したり、食後に激しい運動をすることで起こると言われていますが、はっきりした原因は不明です。ゆっくり食べて食後はしばらく休憩する・・・、そんな生活を心がけましょう。090120
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Karte19 『誘拐犯に告ぐ!』 〜野鳥のヒナを拾わないで〜 |
この時期になると毎年、野鳥,とくにヒナを拾って病院に訪ねてこられる方がいます。多くは善意で連れてこられるのですが、拾われた鳥にとっては『アリガタ迷惑』な行為だということをご存知でしょうか? 巣立ちの時や誤って巣から落ちたヒナを、親鳥は見捨てるようなことはしません。危険にさらされているわが子を必死に護り、餌をセッセと運んでいます。その場から連れ去るのは誘拐≠ニ同じなんです。 とある日の朝、当動物病院敷地内に発泡スチロール製の箱が置いてありました。恐る恐る開けてみると、すずめのヒナと思しき弱った鳥が入っていました。巣から落ちたのを運悪く犯人に連れ去られてココまできてしまったのでしょう。かわいそうに・・・。 傍から見ただけではただの不審物だし、敷地内ってことは不法に侵入したってこと。これだけでも立派な犯罪。それに加えて拉致・誘拐・置き去り≠ニは・・・。しかも名乗りもせず、身勝手極まりない蛮行です。人間だったら許されない行為でしょう。 チョットした出来心や善意でも、その行為が命を奪ってしまうこともあります。「知らなかった」では済まされません。しかし、市役所等にもポスターやチラシが配布されているように、まだまだ今回のような行為≠ェ認知されていないのも事実です。 もし野鳥を見つけたら「極力触らない」「獣医師や保健所の指示を仰ぐ」ように。野鳥のヒナは、種類にもよりますが、人の手で育てるのは困難を極めます。私たち人間の手でその小さな命を救うには‘安易な行動’よりも‘正しい知識’が必要だということ理解してください。 080709
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Karte18 寄生虫図鑑Eニキビダニ(毛包虫) |
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イヌニキビダニ(Demodex canis)は「アカラス」という名でおなじみの寄生虫です。細長い体をしていますが、ダニの仲間です。普段は毛穴の中(毛包)で静かに暮らしているのですが、局所的もしくは全身的に急速に増殖して強い痒みを伴う皮膚炎を引き起こします。このダニは授乳期に母犬から子犬へ伝播するとされています。子犬の時に発症した場合は軽症で自然治癒することもありますが、成犬で、特にアトピーや免疫力を低下させる病気や感染症が素因となって発症した場合は重篤となります。治療は局所のシャンプーや外用薬の塗布もありますが、多くは長期的な内服が必要です。完全に駆虫することは困難ですので、原因疾患をしっかり治療して皮膚を健康に保つことが重要です。 080513
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Karte17 寄生虫図鑑D犬糸状虫 |
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「フィラリア」という名でおなじみの寄生虫です。成虫は犬の心臓(右心室〜肺動脈)に寄生します。成虫から産まれたミクロフィラリア(写真)は、蚊に吸血されるのと一緒に蚊の体内に入ります。蚊の体内である程度成長したこの虫は、吸血時に再び犬の体内に入り、数ヶ月かけて心臓に到達して成虫となります。犬と蚊のどちらが欠けてもダメ。この2種の間を行ったりきたりするのみで一生外界には出ない、ある意味奇特な生活環を持った虫です。 近年は予防薬の普及で少なくはなってきましたが、なかなか無くならないのも事実。温暖化の影響から、蚊の活動時期が長くなってきています。油断せず、予防薬を忘れず投与してください。 080409
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Karte16 『避妊手術』をしましょう!〜子宮蓄膿症〜 |
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子宮の中に膿が溜まっている病気を子宮蓄膿症といいます(写真)。子宮内の細菌による毒素が全身に悪影響を及ぼし、食欲が落ちて痩せていきます。また飲水量が増加し、尿量も増えます(多飲多尿)。その他、熱発や嘔吐がみられる場合もあります。特有と思われがちなオリモノ(帯下)¥oるのは約3割程度なので、発見が遅れることがあり、最悪の場合は死に至る恐ろしい病気です。 最善の治療は手術なのですが、発見時に体力が低下していることが多いので、大きなリスクを伴う場合も少なくありません。 当然のことですが、避妊手術を受けていれば起こりえない病気です。定期的な発情の確認と健康診断を実施し、子供を産ませないのならば早めに避妊手術を受けるように心がけましょう。 080327
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Karte15 『様子を見る』ということ。 |
先日、「2,3日前から繰り返し吐いて、様子をみてたんだけど治らないので連れてきました」という飼い主さんがいらっしゃいました。来院するまでの数日はご飯も普段どおり与えていて、お散歩もいつも通り。「便は?」と訊ねると「そういえばチョット軟らかいような・・・」とのこと。結局は仕事が忙しくて病院にくるのが今日になってしまったのだ、と。
『様子を見る』というのは“何にもしないで放置”と一緒のことです。「様子を見てた」とか「様子が変わらない」と言うと、その間キチンと対処していたように思われますが、私からすれば、それは何もしなかった自分に言い訳をしているだけにすぎません。おそらくはワンちゃんネコちゃんに対しての良心の呵責から、思わず出てしまう言葉なのだと理解しています。
嘔吐・下痢・破行(びっこ)・羞明(目をシバシバすること)などの症状には、必ず原因があります。“様子を見る”という名の無処置で自然に治まることもあれば、重大な疾患のサインということもあるのです。病院に行くことができないのであれば、せめて電話で指示を仰ぐくらいのことはしてあげてください。
医者や獣医師も『様子を見てください』という言葉をよく使います。多くは「検査をしても異常が見当たらないので問題ない。しばらくは経過観察で。」という意味なのでしょうけど、時には「よくわかんないから放置」という場合もあるのではないでしょうか。以前私が病院に行ったときに、血液検査から内視鏡検査までしたあと、検査結果をみた主治医が開口一番『とりあえず様子見で』と言い放ちました。それ以来2度とその病院には行ってません。
私自身も常日頃から気をつけてはおりますが、ついつい遣いたくなる便利な言葉の『様子を見る』。もしも私が安易に口にしていることにお気づきになられたら、どうぞ「おいっ!」って突っ込んでやってください。 080314
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Karte14 ワクチン接種後の副反応 |
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左の写真は、当院でのワクチン接種後に副反応として顔面の浮腫が見られたミニチュアダックスです。対処後は速やかに消失し、事なきを得ました。 狂犬病や混合ワクチンなどの予防注射を接種すると、極々稀ではありますが、このような反応を示す犬がいます。ミニチュアダックスやパピヨン,シーズ−,マルチーズ,チワワなど、小型犬種に多く見られるようです。当院では経験がありませんが、死亡例も報告されています。ワクチン接種に病院に行くときは、その日の体調(元気や食欲,便の状態など)を確認してください。また、接種後数時間は目を離さずに、状態をよく観察してください。顔面の浮腫だけでなく、嘔吐や下痢などの症状が出たらすぐに病院へ引き返しましょう。 080318
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Karte13 寄生虫図鑑Cウサギズツキダニ |
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ダニというと、クモのように背腹に扁平なのが一般的ですが、ウサギやモルモットに寄生するズツキダニの仲間は、ノミのように左右に扁平という特徴的な形態をしています。写真はウサギズツキダニ(Listrophorus gibbus)の雌成虫(上)と卵(下)です。これに寄生されたウサギの背中には、白いフケ(落屑)が多く見られるようになります。それほど強い病原性はありませんが、大量寄生した時やツメダニとの混合寄生があれば、時に強い痒みを伴い、脱毛が見られる場合もあります。駆虫薬がある程度の効果がありますが、完全に駆虫するのは困難なことが多く、数週間から数ヶ月後に再発することも少なくありません。感染したら駆虫を行うと伴に、飼育環境の清掃・消毒を徹底してください。
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